薬剤師として自分らしく一生働ける職場を選ぶなら、残業時間がどのぐらいか気になるものだよね。
実は薬剤師の残業時間って、職場によって変わるって知ってたかな?ここでは、薬剤師の平均残業時間や職場ごとの残業事情について紹介していくよ。
厚生労働省が発表している「令和2年賃金構造基本統計調査」によると、薬剤師の残業時間は11時間程度なんだ。一般的な仕事の平均残業時間がどのぐらいかというと、同じく厚生労働省が行なっている「毎月勤労統計調査(令和3年)」では、一般労働者の所定外労働時間は13.2時間という結果が出ているよ。こうして見ると、薬剤師の残業時間は比較的少なめって言えるんじゃないかな。
次に、同じ医療従事者の医師や看護師と比べてみよう。
医師の平均残業時間は15時間、看護師が6時間だから、医師に比べると残業は少ないけど、看護師とだと薬剤師の残業時間は倍近くあることが分かるね。
残業時間は職場の規模や時期などによっても変わってきて、従業員数1,000人以上の職場や冬場の繁忙期だと残業時間が増える傾向にあるよ。
※参照元:政府統計の総合窓口「賃金構造基本統計調査」(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&toukei=00450091&tstat=000001011429)
※参照元:厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和3年分結果確報」[PDF](https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r03/21cr/dl/pdf21cr.pdf)
調剤薬局には決まった営業時間があるけど、実際のところは門前の医院が開いているうちは薬局を閉めることはできないから、残業が発生することがあるよ。
特に患者さんが増える繁忙期は、残業になりやすいと言われているんだ。あと、薬剤師には薬歴を記入したり、翌日の予製をつくったり、在宅のお薬を届けたり、といった仕事もあるから、場合によっては残業しなきゃいけないことも。
管理薬剤師になると、閉局後の発注や報告業務が必要になることもあるよ。
調剤併設タイプのドラッグストアじゃなければ、門前医院の診療時間に左右されることはないから調剤薬局と比べて残業が発生しにくいよ。
ただ、最近は営業時間の長いドラッグストアも増えていて、どんどん新しいお店もできているから、人手不足で仕事が終わらずに残業しなきゃいけないところも多いみたい。
あと、大手企業が運営しているドラッグストアだと、育児や介護と両立できるように時短勤務に寛容なところも多いから、フルタイムの正社員が残業してカバーしなきゃいけないこともあるよ。
病院のなかでも急な残業が発生しやすいのが、事故や急病で救急搬送される患者さんも多い急性期の病院だよ。
急性期の病院じゃなくても、緊急入院対応や病棟業務、カンファレンスといった病院ならではの業務で残業が発生することもあるんだ。外来調剤が混みあったり、医師の退院時処方が遅かったりなどの理由で残業が発生するところは、調剤薬局と同じだね。病院で働く薬剤師には学会発表や治験業務、薬学生への指導といった仕事を任せられることもあるから、それが理由で残業が発生することもあるよ。
薬剤師のなかでも残業がトップクラスで多いといわれているのが、製薬会社でMRとして働く場合だよ。
MRには患者さんへの対応業務はないけど、自分の会社の新薬を使ってもらうために診療が終わる夕方以降に医師と面会することも多いから、残業になりやすいんだ。
そのほかにも、薬剤師に向けて自社製品を紹介する勉強会をセッティングしたり、説明用の資料を作成したり、自身も知識をつけるために仕事後に勉強会や会議に参加したり…。
これらの仕事は業務後に行なわれることが多いから、薬剤師のなかでも特に残業が多い職場とされているよ。
就活で残業の多い職場を避けるには、事前の下調べが重要になってくるよ。入社してから後悔しないように、条件や業務量など気になることがあれば入社前にしっかりと確認して認識のすり合わせを行なっておこう。
また、どんな雰囲気の職場なのか、患者として利用したり選考時に職場を見学させてもらったりしてリサーチするのもおすすめ。
あと、条件の良すぎる求人や長期間募集している求人は、離職率の高さで慢性的に人手が不足していたり人が集まらない理由があったり、とブラックな職場の可能性があるから注意してね。